人情経済

友達がどこかへ行き

お土産を買ってきてくれる。

 

酒屋のお兄さんが

お買い得ビールセットを勧める。

(おそらくノルマがあるのだろう)

それを主婦の人が、あなたがそう言うならと購入する。

 

今日はいいことがあったから

一杯おごろう。

 

経済は人情でちょっとまわっている。

人情が止まると経済はちょっと形を変える。

 

バナナ一房100円の価値が変わる。

そしてバナナの味が変わる。

 

バナナが美味しくなくなると

 

不機嫌な人たちが現れる。

 

「とかい」

今週の音響の仕事がまるまる飛んでしまい

今週はまるまる自分の録音をした。

時間に有意義も無意義もない。

「やりたければやるだけだ」

「そうだ、やりたいからやったんだ」

「そう、そして出来上がったんだ」

 

実験カセットシリーズ第5弾として発売します。

タイトルは「とかい」と名付けました。

 

道に迷い次の街までの案内板を探す。

すると案内板を探すことが人生の目的になる。

そして次の街に着いた途端

何がしたかったのかを忘れる。

そこで

「そうだった、とりあえずまだ生きていたかったんだ」

と確認する。

つまり案内板は生きることを見つけるためのものだった。

 

都会に暮らしていると

案内板が見つからなくなることが

ままある。

(標識はいっぱいあるんだけどね)

 

過去の自分に向けて立てた

案内板を地面から引き抜け。

そして

「案内板を探せ」と

メッセージを残しておく。

 

www.youtube.com

アルバムをめくり

色あせていく写真を

眺めている

 

眺めている

まさにこの瞬間も

色あせていく

 

抱き合ったまま発掘された

恋人のような関係の

大昔の二人の骨

の話を思い出す

 

つまりは

このアルバムを眺めている

自分も

 

このおれを

今すぐに発掘してほしいなんて

思うのは

欲望の暴走か

 

よく考えたら

ギターを持って歌う行為は

骨の振動

 

思い立ち

部屋に転がるギターを手にとり

Eコードをじゃらん

鳴らしてみたら

 

隣に住む人が

ありったけの骨を使って

苦情を呈してきた

白湯の虚しさ

朝起きてなんとなく

爽やかな朝

バーズを聴こうと思い立ち

レコードをかける

思ったよりヘヴィで

落ち着かないので

ドノヴァンにしようと思い

レコードをかける

これが思ったよりヘヴィで

やめた

 

なんかどっと疲れて

何も聴きたくなくなり

白湯を飲んで無音の部屋に

しばらくたたずんだ

 

ターンテーブルに何も乗せず

ただ回転する機械を眺めながら

飲む白湯の虚しさ

この上ない贅沢な時間