2019-12-02 「ありがとう」 小説以下 急に目の前の男が その前を歩いているサラリーマンの 後ろポケットから財布をぬすんだ その男はぬすんだ財布をこっそり 隣に歩いている学生の男のカバンに 入れ込んだ それを見た自分は 学生に罪が着せられることを 不快に思い カバンからその財布を抜き取った その瞬間 前から屈強な男が 思いきりぶつかってきた 自分から道を譲ることは絶対にしない と誇らしげにその男は言った 腹が立ったから その屈強な男のポケットに 財布をねじ込んでやった 屈強な男は 満面の笑みで 「ありがとう」 と言った